| 2020年12月5日 みずがき山自然公園(お帰り、はやぶさ2) |
小惑星「リュウグウ」の表面から砂の採取を行ってきた「はやぶさ2」。これがいよいよ地球に向けてカプセルを投下するときがやってきました。カプセルを放出後、次なる目的地に向けて旅立つべく軌道修正した後のはやぶさ2の姿が何とか捉えられそうな明るさになるとのことで、急遽、撮影に挑戦してみることにしました。 はやぶさ2がリュウグウに向けて5年前に地球の引力を使ったスイングバイして出掛けていったときも撮影に成功していましたので、その偉業を成し遂げて帰ってきた姿も捉えられたら最高だな、と思いながら。 
地球に近づいてきて明るさが射程圏内に入るのは、日付が変わって1時〜2時とのことなので、夕方は富士山に沈みゆく木星と土星を撮ってから、朝霧高原ではやぶさ2を迎えるつもりでした。ところが、夕暮れ時の山中湖に到着すると予報に反して雲多し。富士山はチラ見えする程度で辛うじて接近中の2惑星の姿を捉えられたに過ぎませんでした。富士山は画面中央やや右側に鎮座しているのですが、、、、 その後、朝霧高原近くまで行って空の様子を窺ったのですが、そちらでも雲が多く、その後晴れるのかも知れませんが、雲の心配なく撮影したかったので、北上するほど晴天となる予報を信じて、先月行ったばかりのみずがき山方面に移動することにしました。 幸い、時間に余裕はあります。  普段撮影に使っている山の麓に行く前に、みずがき湖畔で寄り道。これまでここで撮影したことは無かったので新鮮でした。 いつも渡っている橋を前景にカシオペヤ座から流れる秋の天の川です。橋の照明は優しいもので邪魔にならず良いアクセントになりました。  湖畔の公園にはいろいろなオブジェがあって、中には星空と上手くマッチするものがあります。 これはそのうちのひとつです。 月が昇ってきて明るくなってきた空をバックにシカのシルエットが迫力満点です。丁度車が通り掛かり山肌を照らし出してくれたのはラッキーでした。 この地でしばらく星景写真撮影を行い、はやぶさ2の方向が見える場所も見つけたので、ここで撮ろうと望遠鏡を車から降ろしだしました。 ん？いや待てよ、この場所はいつもの撮影地より標高低いぞ。スマホで調べてみると550mも低いではないか。今回の写るかどうか分からない位の暗い相手との勝負なので、透明度が少しでも高い必要がある。ましてや月明かりもあるので、とにかく透明度、標高だ。と言う訳で、機材を車に積み戻してこの地を後にしました。  そして、いつもの場所に到着。もうキャンプ場の営業も終わったようで、先月とは打って変わって静かな駐車場。 早速、望遠鏡の設置です。しばらくすると東にそびえる瑞牆山から眩い月が出てきました（冒頭の写真）。 はやぶさ2はカシオペヤ座の方向から近づいてきて、ペガスス、さんかく座へと見かけ上の速度をぐっと上げながら通過していきます。 既に採取した砂などのカプセルは分離済みで私の機材で捉えられるかどうかのギリギリのラインにいるはやぶさ2本体が見えてくるのを待ちます。  1時が近づき、そろそろ見えてくるかと、望遠鏡を向けて試写して線状に写るものを探します。 いかんせん月明かりで空が明るく、露出を上手く設定しないと背景に埋もれてしまいます。ISOと露出時間を試行錯誤しながらようやく、はやぶさ2の姿を捉えることが出来ました。やった〜！！ 露出決定を探りながらも、相手はどんどん移動していきます。見失わないように注意しながら最適な設定を決定し、記録できた貴重な画像がこれ。 ISO10000で4秒露出が適正で、間に1秒のインターバルを入れる形での5コマを合成したものです。上から下に向かって移動していきました。（01:54:50〜）  駐車場から少し離れた場所にはカメラを放置させて、月明かりを使ってこんな写真も撮っていました。 すっかり葉を落とした樹の枝越しに冬の星座達が時を刻んでいました。 ---------- 今回はとにかく「はやぶさ2」の姿を捉えるというチャレンジに挑み、見事、成果を得られたので非常に満足です。この日を境にはやぶさ2は次なる目的地の小惑星「1998KY26」に2031年の到着を目指して旅立ちました。とは言っても、この先2回の地球スイングバイがあるらしいので、できればそのときの姿も捉えてみたいですね。 また、今回のおまけとして寄り道した「みずがき湖」もおもしろい場所であることを再認識できて良かったです。 最低気温マイナス3℃。 |
